電器屋さんとかに行くと、「X% 現金値引」とか「X% ポイント還元」という表記をよく目にしますよね。
一見どちらでも同じように見えませんか?
しかし実は、同じように見える「5%ポイント還元」と「5%現金値引」では、お得度が違います。
割引率(%)が同じなら、現金値引の方がお得となります。
自分自身この事を知った時ちょっと感動したので、違いについて簡単に例を挙げてまとめておきます。
計算フォームへ飛ぶポイント還元率と現金値引率の計算フォーム
ポイント還元と現金値引の違い
冒頭でお話しした通り、ポイント還元と現金値引は似てはおりますが、概念と計算式が異なります。
まずは下記の例題で考えてみましょう。
例題(1ポイント=1円とします。)
販売価格1000円(ポイント還元率5%)の商品Aを購入する場合を考えてみましょう。
この場合、
- 払う現金:1000円
- もらえるポイント:50ポイント
となります。
なんとなく、50ポイントがついて、50円安くなった気がしますが、実はそうではありません。
なぜなら、この50ポイントは次回お買い物をして初めて効果を発揮するからです。
という事で、販売価格50円の商品Bを、ポイントを使用して購入する事にしてみましょう。
- 払う現金:0円(50ポイントを使用)
商品AとBのお買い物を整理すると、
- 払った現金:1000円
- 手元にある商品の価値:1050円(商品A 1000円 + 商品B 50円)
という事になります。
つまり「1000円の5%ポイント還元」は、「1050円の商品の50円現金値引と同等」という事になります。
つまり、
5%ポイント還元(1000円の商品)= 50 ÷ 1050 = 4.76%
となり、言い換えるとこの場合、実質「5%ポイント還元は、4.76%の現金値引」と同等となります。
つまり、ポイント還元と現金値引の割引率が同じであれば、現金値引を選択した方がお得となります。
「ポイント還元」「現金値引」換算計算ツールを作りました
上記の説明から、もし仮に家電量販店で「20%ポイント還元」と「20%現金値引」があれば、5%現金値引きを選択した方がお得であることはすぐに分かります。
しかし、「23%ポイント還元」と「20%現金値引」を選択できると言われたとしたら、どちらを選びますか?
どちらがお得でしょうか?
ぱっと見では良くわからず、計算しないといけませんよね。
いちいち計算するのは面倒なので、計算ツールを作成しました。
よろしければ是非ご利用ください。
【ポイント還元率】から【実質現金値引率】と【実質的な支払金額】を計算する
販売価格とポイント還元率を入力します。
実質的な現金値引率と実質的な支払金額が、自動で計算されます。
使い方の例
- 販売価格:10,000円
- ポイント還元率:23%
上記を入力してみましょう。すると、
- 実質現金値引率:18.699 %
- 実質的な支払金額:8130 円
と表示されます。
つまり、ポイント還元23%と現金値引18.699%は、実質的に同価値と言えます(ポイントがぴったり使いきれると仮定すれば)。
もし19%現金値引が選べるのであれば、23%ポイント還元よりもそちらの方がお得になることが分かります。
【現金値引率】から【実質ポイント還元率】と【実質的な支払金額】を計算する
販売価格と現金値引率を入力します。
実質的なポイント還元率と実質的な支払金額が、自動で計算されます。
使い方の例
- 販売価格:10,000円
- 現金値引率:20%
上記を入力してみましょう。すると、
- 実質ポイント還元率:25.000 %
- 実質的な支払金額:8000 円
と表示されます。
つまり、ポイント還元25%と現金値引20%は、実質的に同価値と言えます(ポイントがぴったり使いきれると仮定すれば)。
もし24%ポイント還元があったとしても、選べるなら20%現金値引を選んだ方がお得になることが分かります。
計算式と算出方法
どのように還元率や実質的な支払い金額が算出されているのかが気になる人の為に、計算式を下記に書いておきます。
ここが理解できれば、全て納得できるでしょう。
- 販売価格(Selling price)をS 円
- ポイント還元率をP %
- 現金値引率をC %
とすると、
現金値引率C = SP/(S+SP)
ポイント還元率P = SC/(S-SC)
なお、実質的な支払金額は、
実質的な支払金額 = S-SC
で計算しています。
※端数が出る場合は適当に丸めています。
実際に上の計算式に数値を入れてみよう
例1:ポイント還元率から現金値引率を計算
- 販売価格(Selling price)を10,000円
- ポイント還元率を5%
とすると、
現金値引率C = SP/(S+SP) より、
C = 10,000×0.05/(10,000+10,000×0.05)
C = 500/10,500
C = 約4.762%
実質的な支払金額 = S-SC より、
実質的な支払金額 = 10,000-10,000×0.04762
実質的な支払金額 = 約9524円
例2:現金値引率からポイント還元率を計算
- 販売価格(Selling price)を10,000円
- 現金値引率を5%
とすると、
ポイント還元率P = SC/(S-SC) より、
P = 10,000×0.05/(10,000-10,000×0.05)
P = 500/9500
P = 約5.263%
実質的な支払金額 = S-SC より、
実質的な支払金額 = 10,000-10,000×0.05
実質的な支払金額 = 9500円
ポイント還元と現金値引の割引率まとめ
- ポイント還元率と現金値引率が同じなら、現金値引を選んだ方がお得
- 現金値引率がポイント還元率をやや下回る場合は、計算してみてどちらがお得か判断する必要がある
ポイント還元と現金値引、雰囲気は同じ感じがありますが、全然違いますね。
全く同じだと思っていたのであれば、この違いを知ると、結構感動というか「おー、なるほど」ってなると思います。
実際の所、やってることは加減乗算でしかないので、まあ言うても小学校、中学校レベルの計算ですよね。
しかしながら、これが社会の経済活動に大きく関わっている面白さがありますね。
割引率計算・換算フォームは、ご自由にご活用ください。
お得なお買い物ができると良いですね。
また、何かお気づきの点がございましたら、お気軽にお知らせ下さい。
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